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サウジアラビア初の女性監督の作品。
「中東の映画って珍しいな・・・」と気になっていた。
ちゃんと観られて、幸運だったと思う。



10歳の少女・ワジダは幼なじみの少年と自転車競争がしたくて
しかたない。でも、自転車は高いし、
「女の子が自転車なんて」とまわりからは反対される。

日本なら、自転車に乗ることはだれでもできるし、
それで咎められることもない。ワジダが暮らす社会には、
してはいけないことが多く決められているのだ。
男性に見られるところで遊んでいてはいけない、大きな声を出して
男性に聞かれてはいけない、女性が自転車や車を
運転してはいけない、等々。
これが日常であり、その枠のなかからはなかなか出られない。
話が成立する前提の、社会状況の違いに軽い困惑さえ覚えた。

ワジダは大人から見ると、扱いにくい、問題をよく起こすやっかいな子。
でも、自分にとても正直な子だと思う。
そして、なかなか、したたかな性格をしている。
学校で友達にミサンガを売って代金を得たり、
上級生の密会の手助けをしてお駄賃を請求したり、
自転車の購入のために、ちゃっかりとお金を稼ぐ。
「したい!」と思ったことのためにひたむきで、ちょっと頑固で、
ちょっと生意気で、はっきりした性格で・・・。
はらはらしながら、見入ってしまう。

幼なじみの少年・アブダラもいいと思う。
ワジダに対して、ちょっといたずらしたりからかったりもするが、
助けてくれる優しさもちゃんと持っていて、好感がもてる人物である。
厳しい戒律のなかで、おてんば娘に手を焼きながらも、
その娘の頑張りをちゃんと認めている母親もまたしっかりとした存在感をもっている。
最後には娘の背中を押してあげているが、同時に娘に希望を託しているのだろう。

ワジダの自転車を手に入れるための話の筋と、
ワジダの両親の抱える家庭内の問題とが
絡み合いながら映画は展開する。
いい脚本で、ひとりひとりの人物の描き方が巧いのだ。
それぞれ欠点もあるけど愛すべき人物として描かれている。

ラストシーンはワジダとアブダラが自転車に乗って、こいで行くシーン。
楽しそうに自転車をこぐワジダの表情がとてもいい。
メッセージ性はあるけど押しつけがましくなくて、
ちゃんと一篇の物語として楽しめるものになっている。
これは少女のひたむきさを軸に「正直に生きるとはどういうことか」
を描いた、力作である。
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2014.01.22 Wed l 映画 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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